2022年7月24日

《第2回シネマ・スコラ》レポート

2021年11月から全10回に渡り、16ミリ映画撮影・映写・製作ワークショップを開催しました。
前回に引き続きCO2映画製作ワークショップスタッフの乾がレポートします。

ワークショップ紹介ページ→こちら
 
★第一回目の様子は→第一回シネマスコラレポート

 

10人に9人は持っているという現在のスマホの普及率。そのスマホで写真から映像まで簡単に誰でもデジダル撮影出来るこの時代。全てがデジタル化されていく中で 映画の上映も例外ではありません。こんな時代だからこそ、映画が誕生した126年前に立ち、「16ミリ白黒フィルムで撮影する一分映画」を製作しながらどのようにリュミエールやグリフィスたちのように映画技法を発見していったのかを追体験して気づくのがこのワークショップの狙いです。今年は昨年よりもさらにパワーアップし、10人の参加者とともに新たな作品たちが生まれました!

 

 

 

-講座-


まずは今回のワークショップの首謀者でもある富岡さん(プラネット・プラスワン館長)から映画のお話からこの講座は始まります。
リュミエールとエジソンの映画の発明からグリフィスたちの映像技法を模索した黎明期を重点的に当時の映画を取り巻く情勢とともにお話が進んでいきます。
とっても情報量の多い濃厚なお話にみなさん熱心に耳を傾けています。

またリュミエールが製作した作品を中心にスクリーンで参考上映をしながら、どのような構図や少しずつ進化していく過程を順を追いながら紹介。
普段シネコン等で上映される映画はデジタル。フィルムで映写をしている映画館は日本全国でも数えるほどしか存在してないので、触るこのも初めてという参加者さんもいました。

 

-映写機・カメラの構造-


映画撮影といってもカメラと映写機を扱えなかれば何もできません。
今回は前回よりもフィルム映像を取り巻くガジェットたちにもスポットを当てひとりひとりが映写と撮影を出来るというところも目指していきます。
映写機はこちらを使います。まずは一通りどのような構造かなのかを頭に叩き込み、理解した上でフィルムを正しく通していきます。
ガジェットは構造を理解してこそ初めて正しく使える道具。
初めて触れる不安とともに頭で説明を反芻しながら、皆さんフィルムをゆっくりとセットしていきます。準備が完了したらスイッチON!
ウィィィーーーン、、、というアナログな音とともにフィルムがするすると巻き取られていく様子を見ると「おおっ!」ときちんと動いた感動が声とともに思わず現れちゃいます。

さて今度は撮影に使う16ミリカメラ。ベル・ハウエル!
先日の講座でもあったようにカメラとは映写機と真逆の構造。
そのことを思い出しつつ部分部分の細かい説明を技術講師の古河氏とともに丹念に仕組みを理解していきます。
ある程度説明が終われば早速フィルム装填の実践です!
じとつひとつ丁寧にチェックしながらフィルムをセットしていきます。一番大切な行程なので熱心に練習を重ねていきます。さて、本番では正しくできるでしょうか。

 

↑これが今回使用するベル・ハウエルに装填している様子

-撮影-


自分が撮影したい場所をロケハンで選び、物語を考え、そして最後に待ち構えるのは一番の大勝負の撮影です。
撮影まえには撮影班のカメラの位置、構図チェックや各作品の監督からの念入りな演出・演技指導が入ります。本番はやり直しなしの一発勝負。時間の許す限り何度も何度も練習をしより完成度を高めて本番へ臨みます。

ちなみにカメラ以外でも準備が必要なものがあります。光の量を測る露出計、距離を測るメジャーなどこれらのひとつでも調整が狂うとベストな映像は撮れなくなります。このみんなでする手間がまた楽しいですね。

 

 

-撮影本番-


さて、いよいよ本番へと向かいます!
フィルム撮影は一発勝負!みなさん緊張とやる気がみなぎります。

 

 


バルタン星人…?どんな作品ができるのでしょうか?


タイトルも自分たちで撮っちゃいます。それぞれ創意工夫があって面白いですね。

 

お疲れ様でした!うまく撮れたでしょうか??
現像してからのお楽しみ。これもアナログならではですよね。

 

-編集-


さて現像から帰ってきたラッシュフィルム!これを上映用に後撮りしたタイトル映像と本編を編集して観れる状態へともっていきます。
使用する道具はスプライサー。フィルムをカットし繋げる編集道具です。確認用モニターを使いコマ単位で適切なタイミングを選んで切り貼りします。
パソコンだとデータ上ですがフィルムは直接切っちゃうんですね。
一応失敗しても修復は可能ですが、みなさん恐る恐る編集していきます。

 

-シネカリ-


さてここで閑話休題。今回はなんと特撮まで製作しました。
そのなかで光線を演出として取り入れたいということで、今回「シネカリ」という作業を初めてしました。
やり方は針などの先の鋭いものでフィルムをカリカリと削っていきます。一秒に16コマあるので物によれば気の遠い細かい作業。参加者総出でカリカリと削っていきます!

 

-上映-


ついに上映の日がやってきました。当日は一般のお客さんも迎えてとなります。果たしてうまく作品は取れているでしょうか。そして、撮影内容がお客さんに上手く伝わるでしょうか。

 


以上にて第二回目のシネマスコラは終了いたしました。
今回は前回よりも撮影ジャンルの幅や参加者の年齢も大幅に広がり、さらに充実した講座内容になりました。
今年も9月から第三回目の予定しておりますので、もしこちらのレポートを読んで気になった方は是非次回ご参加ください。


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