JISYU

〈自主映画アーカイヴ上映〉
:History of Japanese Independent Amateur and Students films

JISYUとは?

〈自主映画〉の歴史を発掘し、隔月で上映していく。

●日本における自主制作映画、学生映画、個人映画の歴史は長く、戦前より作られてきた。製作された映画のフォーマットは16ミリ、9.5ミリ、8ミリのフィルムから始まり、1990年代にはヴィデオそして2000年代にはデジタル・ヴィデオへと移っていく。そんな中で、フィルムを中心にかつて製作され、忘れ去れられんとする作品を中心に〈自主映画〉の歴史を隔月で発掘し、上映していく。
●この企画で、自主映画(実験映画、個人映画を含む)には、反商業的なあるいは実験的なあるいはテレビや商業映画、娯楽映画ではけっして扱わない野心的なテーマや題材を扱った作品が多数あり、その時代によって映画を志した若者たちが何を表現しようとしたかを発見することになる。

 

JISYU vol.2 海外篇

主催:CO2
配給:Cinema Drifters、プラネット・プラス・ワン
協力:シネ・ヌーヴォ、Ying E Chi financially supported by the HKADC

ヴィンセント・チュイ〜香港インディペンデント映画の夜明け〜

日本における香港映画は70年代のブルース・リーとカンフー映画、そしてマイケル・ホイからジャッキー・チェンなどの人気スターが80年代にかけて知られるようになったのが始まりだった。その後の「男たちの挽歌」など香港ノワールのブームとは別にいわゆるアート・シネマの興隆が起る。アジア映画のブームはこうして拡がったのだ。そんな中、2000年代には、世界的にもデジタル・シネマの普及がより自由な映画製作を広げることになる。そして香港ではヴィンセント・チュイを中心に、影意志Ying E Chi/イム・イー・チーがデジタル・シネマの活性化を担う。今回、来阪するヴィンセント・チュイの主要な作品網羅し、〝香港インディペンデント映画のゴッド・ファーザー〟ヴィンセント・チュイ本人を迎えて上映。また同時期にシネ・ヌーヴォでは、マカオで撮影された作品を含む香港インディペンデント映画祭の再上映もある。

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憂いを帯びた人々
『憂いを帯びた人々』Leaving in Sorrow
2001年/香港/90分/カラー/広東語・中国語・英語/Blu-ray
監督:ヴィンセント・チュイ
脚本:パトリック・コン
出演:ショーン・ユー、アイビー・ホー、トニー・ホー
■中国返還(1997年)にともなう香港人の心境の変化を描いたこの映画は、香港、北京、深セン、サンフランシスコを舞台に、信仰を失った牧師、希望を持てない無気力な若者、過去の傷を背負った雑誌編集者に焦点を当てた群像劇である。香港インディペンデント映画の旗手、ヴィセント・チュイ監督の劇映画長篇デビュー作。香港を代表するスター、『恋の紫煙』のショーン・ユー(余文楽)の主演デビュー作。返還後の香港、そしてその未来の情景を予見する香港インディペンデント映画の傑作。(LKW)

 

狭き門から入れ
『狭き門から入れ』Three Narrow Gates
2008年/香港/105分/カラー/広東語/Blu-ray
監督:ヴィンセント・チュイ
脚本:グレース・マック
出演:リウ・カイチー、ジョーマン・チャン、ドゥ・ハイビン
■返還から10年を経た香港が舞台。中国政府が約束した「一国二制度」は果たして維持されているのか。警察、新聞記者、牧師という接点を持たない3人が弁護士殺人事件を通じて繋がり、中国官僚と香港不動産企業が癒着し利権を得たスキャンダルを暴いていく。ヴィンセント・チュイ監督が商業映画ではタブーとされる香港と中国の抱える矛盾や政治の陰謀を描くと同時に、第一級のクライムサスペンスとしても成功している。過去2度の香港アカデミー賞助演男優賞に輝くリウ・カイチー(廖啓智)が主役の牧師を熱演。(LKW)

 

花の咲かない果実2
『花の咲かない果実』FIG
2012年/マカオ=香港/ 97分/デジタル/16:9/Blu-ray
監督:ヴィンセント・チュイ
脚本:ロイ・シウワー
撮影: リウ・アイグオ
出演:ジェニー・リー、エリーズ・ラオ、ロー・チュンイップ
■マカオでオール・ロケを敢行した最新作。脚本は、香港ニューウェイブの巨匠アン・ホイ監督の復帰作『生きて行く日々』で香港アカデミー賞・脚本賞を受賞したロイ・シウワー(呂筱華)。家庭の事情でカーは夫のラムから離れ、単身マカオに戻ることに。そこでカーは1人の女性マンと出会う。マンの父は、妻が亡くなった後、愛人との関係を娘であるマンに明かし、長いことマンに不快な思いをさせ続けていた。カー、マン、マンの父親、そしてその愛人の身の上に、他者の死によって思いがけない転機が訪れる。花が咲いて実るとは限らない。また人の死と出会いには、必ずしも原因があるわけではない…(TK)

 

スケジュール ―9/30(土)―

  • 11:00~ 花の咲かない果実
  • 13:00~ 憂いを帯びた人々
  • 23:00~ ★オールナイト上映3作品+トーク
    『花の咲かない果実』+監督作2作品 1日限りの特別上映!
10/1(日)―

  • 11:00~ 狭き門から入れ+トーク
10/2(月)―

  • 17:00~ 花の咲かない果実
10/3(火)―

  • 17:00~ 狭き門から入れ
10/4(水)―

  • 17:00~ 憂いを帯びた人々
10/6(金)―

  • 17:00~ 花の咲かない果実
10/9(月)―

  • 19:30~ 憂いを帯びた人々
10/10(火)―

  • 19:30~ 狭き門から入れ
10/11(水)―

  • 19:30~ 花の咲かない果実
 料金  一般1500円/会員1300円/学生1000円
★オールナイトのみ均一2500円
 会場 プラネット・プラス・ワン(大阪・中崎町