みなさんは世界史、得意でしたか。
1920年代に何故パリが映画の中心地として栄えたのか?
という訳で、映画入門講座の第2回目は、アヴァンギャルド映画入門。講師は富岡事務局長です。
1910〜20年それまでにあったものを壊そうとする運動が起こり、色々な芸術家たちが映画製作に乗り出しました。その中の一人、ルイス・ブニュエルの『アンダルシアの犬』を題材に講義が進みます。
本編を観たことがない方でも、女性の眼球を剃刀で一文字に切り裂く有名な映像は、どこかで観たことがあるのではないでしょうか。
映画の父といわれるD・W・グリフィスの映画を知り尽くした上でアンチ・グリフィス映画を造り続けてきたというブニュエル。
カットのつなぎはアメリカ映画的で、リアルに見えるドラマが不条理な展開を見せるのが面白いところです。
いつものようにシーンごとに解体して読み解いていくと….。ルールを作った上であるルールを外すやり方。時代背景を知らなければ、単に不思議なシーンの連続に見えますが、実は…。
政治、思想、アートが1つになったのが『アンダルシアの犬』だったんですね。
映画は、その文体のルールを知るとより理解することができる!
そして冒頭の“1920年代に何故パリが映画の中心地として栄えたのか?”。
その答えは…..
モスクワからはロシア革命を逃れた貴族、アメリカからは禁酒法にうんざりしたヘミングウェイのような作家が、
ベルリンからはインフレに喘ぐ芸術家たちがパリを目指してやってきました。
その結果、ありとあらゆるジャンルを超えたメディアミックスが始まったのです。
ブームが起こるには原因があって、様々な歴史的出来事が密接に関係しているんですね。
もう1つ、特に印象に残ったのは。
ヨーロッパでは第一次世界大戦→第二次世界大戦で映画が作れる状況ではなくなっていく。
30年代のアメリカでは、トーキーが始まりハリウッドが産業として成り立ち始めました。その背景にあったのは、ヨーロッパからナチスを逃れてアメリカに渡って来た有能な監督や俳優たちの存在。そのおかげでヨーロッパの映画産業のおいしいところ取りができたと言えるとのこと。
一方、20年代のソ連。『戦艦ポチョムキン』と言えば、モンタージュの例として良く取り上げられますが、この映画で注目すべき点は、主人公がいないこと。社会主義国であるため労働者全体が主役になり、個人を主人公にするという考え方がないとのことなんです。
これは驚きましたが、国によってイデオロギーが違えば、“当たり前”の感覚も大いに違うのは当然のことなんですね。
と、ここに記したのは講義のごく一部で、書ききれないエピソードや分析が山積みです
参加すれば必ず映画の見方が変わる!
次回の映画入門講座は7/3(日)に開催します。
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