富岡:次回作はそろそろ?吉田:まだですけど『ソーローなんてくだらない』ほどエロに特化してない、バジェットがもう少し入っている作品が動いています。富岡:やっぱりそういうものを吉田さんにって話になってくるんですね。
吉田:僕としてはエロに特化しなくてもいいとは思ってるんですけど。求められるのはそこかなって感じはしますね。
富岡:他の全然違うジャンルで撮ってみたいっていうのは?
吉田:最近は凄くありますね。Vシネとかホラーをやったことがあるんですけど下手くそなんですね。ホラーはセンスだと思うし、元々ホラーに造詣がないので。
いまおかしんじさんは「来るもの拒まず」で取りあえず来てから考えるとおしゃってましたが、僕ら若手には来ないですからね。普段から自分でプレゼンしたり、企画を作っておかないと手詰まりになってしまうって印象はありますね。
富岡:企画は常に5つぐらい用意しておくべきで、撮れよって言われたときにすぐに出せないとダメなんです。実現可能かは別として。
吉田:僕みたいなインディペンデントの人間で、そこまで出てない人は東京にたくさんいる。その中でどうやったら自分に企画がもらえるか凄く考えるようになりましたね。デジタル化が進んで500万円くらいで作ろうとしたら、みんなそれなりに出来てしまう。新しい才能が次から次へと出て来ますからね。
富岡:CO2の監督で撮り続けている人は吉田さんも含めて何人かいますが、この状況の中で低予算のものを撮り続けていって日本映画自体が今後どうなるのって感じはしますよね。大きい予算のメジャーな作品があって、一方で低予算の作品をミニシアターでかけていくって状況があって。そこをどう変えていくのかって。東京におられてどうですか?
吉田:どんどん最悪になっていってますね。予算にしても『お姉ちゃん』の時は500万円くらいの低予算の作品はどんどん流通していて、少ないなーと思いながらやってたんですけど、今500万なんて言ったら「そんなにもらえちゃうの?」ですよ。今だったらせいぜい半分くらいです。
富岡:山下敦弘監督と何本かやってきて、『ばかのハコ船』は、助成金があったから2千万円くらいで撮りました。元々CO2を始めたときは、若手の監督にとっての間のステップを作ろうってやったんですけど。今なんかCO2で作る作品と商業で作る作品も変わんないよね。
吉田:2千万で撮れるなんて今はないですよね。
富岡:吉田さんの場合はエロという武器があって、自分のやりたい部分とオファーが一致していますけど、そうでない人は辛いところで。商業物をお仕事として撮っているけど欲求不満が溜まって、別に自主制作を友達と撮ってCO2に応募して来るって人は増えていると思います。そういった監督たちがこの先撮り続けていけるのかは分からない。それが来年その位置に吉田さんや板倉さんがポンと行くといった可能性は当然ある訳です。それで1,2本撮ってまた次の若い世代が出てくるってこともあるので。戦略を練っていかないと厳しいですね。DVDの売り上げはどんどん落ちている訳ですから。
吉田:昔はDVDが売れたんで予算が入ったんですけど、今は全く無くなったんで、その分がごそっとないんですよね。
|