ご好評に伴いCO2俳優ワークショップが１２月まで開催延長されました！
このワークショップが何を目的としてどんな指導を行っているのかご紹介します。
【CO2俳優ワークショップの目的と成果】
富岡CO2事務局長インタビュー
――俳優の仕事とは本来どのようなものでしょうか？
富岡：優れた脚本には、形容詞は書かれておりません。名詞と動詞だけで脚本は書かれるべきです。では、形容詞や副詞はどうなるのか。それを創造するのが俳優の基本的な仕事です。
――受身ではなく積極的な創造性が必要なんですね。
富岡：そのためには、まず製作される映画の目的と物語の軸を発見しなければなりません。俳優は、脚本の一部であっても、書かれている物語の目的を読み込み、書かれていない形容詞を身振りと表情（動き）で作り上げることが役割なのです。
――具体的に教えてください。
富岡：１つめは【物語を提示する】こと。
一番重要なのは、俳優の個性ではありません。まずは、観客に物語を理解させることです。物語とはそれぞれのシーンの目的であり、それが「シーンの成立」そして、1本の映画となるのです。
――短い時間で不特定多数の人に物語を理解してもらうのは難しそうですけど、物語を伝えるのが最も重要なんですね。
富岡：2つめは【物語と人物の背景】を作ること。
１をクリア出来た人が次に目指すのは、その登場人物の背景です。それは演じている俳優の素とは別であり、物語の中の登場人物がどういう思考のもと行動するのかを考えるのが俳優の仕事です。
――なるほど！それでは役者の個性は重要ではないんでしょうか。
富岡：これら２つのポイントをクリア出来た人が次に出せるのが、それぞれの俳優の個性なのです。決して個性が一番ではありません。それにはまず、自分自身の外見や身振りで他者からどんな人物に見えているのかを普段から理解している必要があります。何故なら、演じる人物は、自分とは異なった世界観、思想、生き方をしているのです。俳優に重要なのは結果的には教養ということになりますので、いろんな時代のいろんな国の映画を沢山観て頂いて、どう演じているのかを見るのが第一歩です。
ある日のCO2俳優ワークショップレポート
ある日のワークショップの様子を紹介します。1回完結でどんな事をしているのでしょうか？？？
配られた脚本を読んでみると、この日の脚本の登場人物は３人。
ストーリーは、
「Aが家に帰ると侵入者Bが帰宅を待っている。Bが何者かを探る会話の最中に同居人Cが帰ってくる。」
というもの。
1）脚本の解釈を自分の言葉で語る
各自脚本を読み込んで、物語の解釈を発表します。ここで聞く人に伝わるように話せるかで、自分の理解度や認識の共有点が確認できます。
Bを探偵と捉えた人、BがCの恋人と捉えた人、様々な意見が出ます。ストーリー全体をクライムサスペンス、ラブストーリー、コメディなど、どう捉えるかで必要とされる演技が全く変わってきます。
2）人物像を考える
脚本のト書きを映像化するために、どんな人物像にすればそれらしく見えるか？
初夏・（夕刻）
２階建ての一軒家が立ち並んでいる通り沿い。帰宅するA。
夕刻に帰宅・・・会社勤め → スーツ姿。カバンを持っている。
２階建ての一軒家・・・一定の収入がある30-40代。
初夏・（夕刻）・・・汗ばむ → ハンカチを手にしている。上着を脱いでいるなど。
上記はあくまで例ですが、２行のト書きの情報からビジュアルも含めた人物像を生み出すことが出来ます。
ポイントは「初めて見る人に、設定した人物像が伝わるか？」です。
3）実践してみる
上記を踏まえて、各組で演技プランを考え演じてみます。
録画で検証し、意図したように伝わる演技かを確認していきます。
各組、反省点を踏まえて再挑戦し、再度録画で検証します。
参加される日によって同じような設定で違うパターンの脚本が用意されていたりと、参加するごとに気付きが得られ、演技の幅が広がる構成となっています。
＜俳優ワークショップ開催延長のお知らせ＞
追加日程：11／2、16、12／7、21（ともに土曜の11時〜14時半開催）
課題テキスト（脚本）を元に、脚本の読み込みからその内容をよく考えて理解することまで、伝わる演技を学んで頂く内容を引き続き行います。
みなさまのご参加お待ちしております！
ご予約や詳細はこちらからどうぞ→CO2HP ワークショップ「俳優ワークショップ」
※第10回CO2助成監督へオーディション素材としてのワークショップ映像提供は、10月までの開催講座が対象です。