「映画技術講座」の第一弾、「デジタル機材講座 〜失敗しない!HD制作〜」を開催しました。
HDでの映画制作は、撮影モードや記録フォーマットの選択肢が多いだけに、選択を誤ると「こんなはずじゃなかった!」なんて事態になりかねません。
これからHD撮影を始める方、SD撮影からHD撮影への移行される方に向けて、映画制作のワークフローの中で、「撮影&収録」「ポストプロダクション」「カンパケ&納品」に関係する基礎知識、機材、ソフト、購入時のポイントなどの講義です。
講師は、第1回CO2助成作品『赤い束縛』の監督や様々な作品制作・宣伝を手掛け、大阪アジアン映画祭等にも関りつつ、京都を中心にデジタル映像制作を行うKyoto DUの唐津正樹さんです。
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まずこれが何を表しているのか、基本的なことから講義スタート。SD、HDのフォーマットの基礎概念です。
(1)はピクセル表記された解像度:画面サイズ
(2)はフィールド周波数で1秒間に収録・表示される画面の枚数
(3)は画面の表示方法でインタレースがi、プログレッシブがpです。
インタレースは1フレームに2枚の画面が収録されていて、プログレッシブは1フレームに1枚の画面が収録されています。サンプル画像を見ながら特質を生かした選択について考えていきました。ちなみにPCのモニタはプログレッシブで、インタレースで撮られた素材の編集時に画面表示がチラついていても実際に書き出すと問題なかったりするのは、こういった表示方法の差とのことです。
記録フォーマットについてはLongGOP(MPEG2、MPEG4、H.264)、I-Only(Mpeg4、H.264)それぞれの特徴とどういった撮影に向いているかを解説していただきました。
悩ましい問題である素材管理のポイントについても、撮影データ、編集用動画データ、編集済み動画データに分けて解説していただきました。
HDDの取り扱い注意事項では寿命が3年と聞いて、思わず家にある外付けのHDDが何年前のものだったか考えてしまいました。バックアップを怠ったためにPCと共に大事なデータが逝って呆然としたこともあったなぁ。バックアップは基本中の基本ですね!
記録メディアでSD/ SDHCカード選びの重要ポイントは「Class/クラス」=メディアへの転送速度とのこと。Class2、4、6、8、10といった仕様があり、当然速度は値段に反映されますが、予算が許せば速く安定して書き込みできるClass10がオススメとのことです。
講座の詳しい項目についてはこちらをご参照ください。
最後に撮影機材や編集機材の新品から中古まで扱う品揃え豊富な通販サイトや、新品が驚くような価格で買えるアメリカの通販サイトなど、すぐにチェックしたい情報の紹介もありました。
講座には助成監督の梅澤さんも参加。講座終了後に具体的な撮影シーンを挙げて、フォーマットによるクオリティの差について唐津さんに相談していました。こういった交流が実際の撮影にどう生かされるのか楽しみなところです。
CO2映画技術講座、次回は10/15(土)、17:00?20:00開催の<照明講座>です。
講師は『堀川中立売』を手掛けた照明技師の岸田和也さん。
前期で参加できなかった方、実際の照明の仕事について学びたい方はこの機会にぜひ!
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