助成監督の次に話を伺ったのは、俳優特待生に選ばれたお二人です。
写真左が時光 陸さん(21)、右が李 勝利さん(29)。
まずは時光 陸さん。
昨年の助成作品で、シネアスト市長賞を受賞した大江監督の『適切な距離』に主人公の弟・礼司 役として出演しています。これで初めてCO2を知ったとのこと。
「今年、俳優オーディションがあると聞いて、“やったろう!”と頑張った結果、念願の特待生をいただきました」
時光さんの経歴を教えてください。
「大学入学時に本格的にやりたいと思って、アクターズクリニックっていう演劇養成所に入って2年間、塩屋俊監督の元でアメリカのメソッド演技を学びました。そこでいただいた仕事の他、主に自主制作映画に出て、フリーで活動しています。プロの現場に早く行きたいですね」
せひCO2を足がかりにしてください。
「言い方は悪いですけど、手伝ってもらうというか、踏み台にさせていただきたいという(笑)」
ご自分の強みは何だと思いますか。
「基本的に俳優は飾っちゃダメだと思ってまして、ずっと素でいること、無邪気さが必要だと思います。それを意識して正直に生きて、そこが評価されていればいいなと思ってるんです。いい意味で、わがままでずうずうしくもいたい。でも求められることには必ず出せる俳優になりたいです。」
「素でいることの大切さを教えてくれた作品です。可愛いキャラのイメージの礼司 を僕の中に見出してくれたのが監督の大江さんで。礼司 を演じて素でいることが楽になったし、めっちゃ勉強にもなった。僕の俳優人生にとって大切な作品です。映像なのに1ヶ月稽古するし、大江さん自身が演劇の経験者なので“適切な演出”をつけてくれました」
最後にCO2の意気込みをお聞かせください。
「関西にいる時点でどの現場でも一位になりたいです。お呼びいただいた所では必ずいい仕事をしたいと思っています」
所属している事務所に昨年の助成作品の1本、リム・カーワイ監督の『新世界の夜明け』のキャスティングオーディション募集があり、受けたのがCO2を知るきっかけだったとのこと。
「そのオーディションには選ばれなかったんですけど、今回CO2で俳優オーディションがあると聞いて、興味が沸いて受けてみました。幸いなことに特待生に選んでいただいて。ワークショップで制作する短編作品に出演させていただけるとのことですし、運よく助成監督の作品にも出演できたらいいなと思っています」
演技を始めたのはいつからですか。
「大学に入ってから演劇を始めて、舞台中心に活動をしてきました。一昨年くらいから映像関係もやり始めて、自主制作映画から商業映画にも出演させていただきながら今に至ります」
商業映画はどういった作品に出演されましたか。
「去年だったら金子文紀監督の『大奥』に出させていただきました」
CO2への意気込みを教えてください。
「助成作品の企画3本、どれも興味深いですね。その中で僕という俳優を使っていただけたら。インディーズで作る映画の醍醐味は、やりたいことをとことんやれるってことに尽きると思います。そこに参加して面白いものを作る一員になりたい!という意気込みが沸いてきます」
俳優としてご自分の強みは何だと思いますか。
「自分という人間の中にある要素を役作りに使うんですけど、その純度が高ければ高いほどいいと思っています。その極限…限界をまだ僕自身が見ていないので、どこまで行けるか、未知数でもあるのでそこを探っていきたいです」