2014年10月7日

CO2映画制作オリエンテーション第4回/「録音・整音講座」レポート

第11回シネアスト・オーガニゼーション大阪

映画制作オリエンテーション第4回「録音・整音講座」

2014年9月24日(水) 講師:松野泉さん(映像作家)

※受講生の方にレポートをいただきました※

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9月24日に「録音・整音」講座が開催されました。

講師は、映像作家であり、また録音・整音担当としても数多くの現場に携わっておられる松野泉さんです。

 

録音とは音を録ることです。映画がサイレントからトーキー(映像と音の同期)の時代に入り、フィルムに音を記録出来るようになったころから、映画に音が切っても切り離せないものになりました。

 

そこで、本講座では、改めて映画の音にはどんなものがあるのか、そしてその音をどういう風にすれば聞きやすくなるのかを松野さんの現場での経験談を交えて学んでゆきました。

 

松野さんは、現場に携わる際、シナリオを渡されるとすぐに、シナリオ上ではどんな音が想定されるのか、予めピックアップして音の当たりをつけるそうです。それを踏まえ、私たちも、一つのシナリオを基に、そのシナリオの中でどんな音が想定されるのかを把握する演習をしました。初めての試みに頭を悩ませながらも、みんなで案を出し合い、台詞以外にも椅子に座る音など人間の動作によって生じる音があることを改めて認識しました。

シナリオ

その作業が終わると実際、撮影前に現場に行って、収録の邪魔になりそうな音はないか、雑踏の音のレベルはどんな感じなのか、ウインドブレーカーなどシャカシャカなりそうな衣装はないかなど、音に関するすべてを把握し、監督や制作部、衣装部など各部署と連携を取り、撮影に臨むそうです。

 

とても印象深かったのがTVを見るシーンの撮影についてです。実際、TVの音が鳴っていると台詞にかぶって台詞が聞き取りにくくなってしまうので、役者にはどんな内容の映像なのかを把握してもらって本番では音を消して撮影したりするそうです。また、その映像も著作権のからみもあって、制約無くそのまま使えるものを用意したりするそうです。

 

すべての録音が終わり映像の編集が終わると、整音の作業が始まります。松野さんが普段使われているAvidのPro Toolsというソフトを用いて説明されました。整音とは簡単にいうと、カット毎に素材の音にばらつきがあるので、そのばらつきを無くし、なじませるというものです。クロスフェードや、台詞の音声レベルの統一をしたりと整音作業のテクニックがあるそうです。

 

映画「シルビアのいる街で」(2007・スペイン・フランス合作)を参考に見ました。この作品は街の音、木々の音、街の人の声などを別々に収録したりして、音にとてもこだわって制作されているそうです。ただ、デヴィッド・リンチ作品のように、とても違和感を醸し出すものでなく、とても自然に聴こえるようになっていました。

 

今回受講して、普段何気なく聞き過ごしている映画の音の世界はとても奥が深いのと同時に、たくさんの作業量があるのだと改めて気づかされました。また、自主映画が多く制作され、撮影や編集など映像に関しての技術力が上がってきている中、まだまだカット毎に音声レベルが変わったり、音に関してシビアに取り組んでいる制作者は私も含めて少ないなぁと実感しました。これからもっと勉強をして、もっともっと総合的な技術力を上げてゆこうと思いました。

 

講座終了後、水曜コネクトでは、講師の松野さんを交えたお茶会(懇親会)が開催されました。講義の内容に踏み込んだお話や、勉強のことだけではなく、ワークショップには映像に関わる様々なジャンルのクリエイターが同じワークショップ生として参加しているので、幅広く交流が出来るのも水曜コネクトの魅力だと思いました。お陰でとても有意義な時間を過ごせました。また参加しようと思います。ありがとうございました。