映画監督 伊藤大輔の世界
■時代劇映画の礎を築いた「時代劇の父」 伊藤大輔。 代表作『御誂次郎吉格子』と、人気シリーズ鞍馬天狗をアクション・ミステリーとしてリメイクした『鞍馬天狗 地獄の狼(横浜に現る)』の貴重なフィルム上映を軸に、伊藤大輔研究で受賞歴を持つ板倉史明氏による講義を行い、伊藤大輔が日本映画界にもたらした功績に迫る。
〈上映作品〉
『御誂次郎吉格子』
1931/日本/16コマ/79分
監督:伊藤大輔
原作:吉川英治
撮影:唐沢弘光
出演:大河内伝次郎、伏見直江、伏見信子、高瀬実乗
●江戸で有名な大泥棒の鼠小僧次郎吉は危険を感じて上方(大阪)へと向かった。京都から河を下り大阪へ向かう船の中で女郎のお千と知り合うが、怪盗鼠小僧の噂は大阪にも届いていた…。
■日本映画に〝時代劇〟というジャンルを確立し、20年代に「忠治旅日記」三部作などで知られる巨匠伊藤大輔の代表作。
『鞍馬天狗 地獄の狼(横浜に現る)』
1942/日本/51分/トーキー作品
監督・脚本:伊藤大輔
原作:大佛次郎
音楽: 西悟郎
撮影:石本秀雄
※「侍ニッポン」「血煙高田の馬場」の部分上映あり
●明治初期の横浜。悪徳商人ヤコブは、表向きは居留地で貿易商を営んでいるが、実は大量の贋金で暴利を得ていた。新政府からの依頼で、鞍馬天狗こと浪人倉田典膳は、ヤコブの経営する曲馬団に用心棒として潜入するが…。
■トーキー以後は不調であった巨匠伊藤大輔が、何度も映画化された人気シリーズの鞍馬天狗をアクション・ミステリーとしてリメイク。ハリウッド帰りの上山草人も出演。横浜の外国人居留地のユダヤ系ロシア人を贋金作りの悪党として描き、戦時に合わせた企画でもあった。公開時は、アラカンが全力疾走で刀を振り回しての立ち回りが有名だったが、戦後の進駐軍の検閲により、このシーンは削除された。
〈講義〉
板倉史明 ITAKURA Fumiaki (神戸大学院国際文化学研究科 准教授)
専門は映画学(日本映画)。1999年に伊藤大輔の研究で第2回京都映画文化賞を受賞。その後2005年から2012年まで旧・東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)でアーキビストとして活動し、2012年10月から現職。単著として『映画と移民−在米日系移民の映画受容とアイデンティティ』(新曜社、2016)がある。
〈演奏〉
鳥飼りょう(ピアノ)
■サイレント映画伴奏者。ピアノ、パーカッション、トイ楽器等を演奏。2012年11月、Planet+1「西部の偉人 ウィリアム・S・ハートの全貌」でデビュー。全ジャンルの映画に即興で伴奏をつけ、これまでに演奏した作品数は400を超える。映画に寄り添うその演奏は好評を博し、国内・海外の映画祭にも招聘されている。また、オーケストラへの客演やダンスとの即興演奏にも取り組むなど、多彩な活動を展開している。2015年12月よりPlanet+1の長編シリーズ「映画史~映画の樹」でのサイレント映画の全伴奏を担当。現在、年間100公演以上のサイレント映画伴奏を行っており、最も上映会で演奏する伴奏者のうちの一人として活動している。
鳥飼りょうfacebook /Twitter
スケジュール | ―8/4(土)―
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料金 | 3000円(映画鑑賞料金込み)/10代無料(要証明書) |
会場 | プラネット・プラス・ワン(大阪・中崎町)/CO2運営事務局(大阪・中崎町) |
事前申込み | 入場はメール予約いただいた方優先となります。 info@co2ex.org(CO2運営事務局)まで、件名「CO2映画講座 伊藤大輔 申込み」氏名、連絡先をお書き添えの上ご連絡ください。 |