JISYU

〈自主映画アーカイヴ上映〉
:History of Japanese Independent Amateur and Students films

JISYUとは?

〈自主映画〉の歴史を発掘し、隔月で上映していく。

日本における自主制作映画、学生映画、個人映画の制作は戦前まで遡ることができる。映画のフォーマットも16ミリ、9.5ミリ、8ミリから始まり、1990年代にはヴィデオそして2000年代にはデジタル・ヴィデオへと移行してきた。〈自主映画アーカイブ上映〉では、フィルムを中心にかつて制作され、いまや忘れ去れられようとしている作品と〈自主映画〉の文化・歴史を発掘し、上映していきたい。

topbanner-JISYU09

JISYU vol.9 前衛と闘争──関学映研特集上映

主催:神戸映像アーカイブ実行委員会
協力:シネアスト・オーガニゼーション大阪、神戸映画資料館

第9弾では、戦前から続いてきたとされる関西学院大学映画研究会で制作された1950年代末から70年前後のフィルム作品を上映する。第6回全日本学生映画祭で高い評価を得た山野浩一の『Δdelta(デルタ)』、のちの日活ロマンポルノで監督としてデビューする黒沢直輔や斎藤信幸が参加した『壁の中』、そして、68年の関学闘争を記録した『青の森』などを生んだ関学映研の歴史を辿り、学生映画の文化的変遷を浮かび上がらせる。

2019年10月20日(日)(会場:神戸映画資料館)神戸発掘映画祭2019

11:00-12:40 Aプログラム(上映95分)
『白と黒』(1959年/28分/16mm)
『Δdelta(デルタ)』(1960年/27分/16mm)
『壁の中』(1966年/40分/16mm)
Aプロでは前衛的作品を数多く発表した時代の関学映研を回顧する。一人称主観映画という方法で、雪山で転落した青年の内省を描いた『白と黒』。高名な競馬評論家、SF作家になる山野浩一が監督し、第6回全日本学生映画祭に日大映研の『椀』や京大映画部の『む』とともに出品され、佐藤重臣から高い評価を得た『Δdelta(デルタ)』。また密室で人類の幸福を願い研究を進める科学者たちを描いた『壁の中』のスタッフには、のちに日活ロマンポルノなどで活躍する黒沢直輔、斉藤信幸らが名を連ねている。
デルタ②

13:30-15:02 Bプログラム(上映52分+トーク)
『青の森 関学闘争の記録』(1968-69年/33分/デジタル上映)
『PALENOMA』(1970年/8分/16mm)
『闘争=映画は決意の物化である』(製作年不明/11分/16mm)
Bプロでは1968年以降の「政治の季節」の映画を振り返る。「近畿自主上映組織の会」が各大学に「反戦ベタ撮り映画」の撮影を呼びかけたことから、関学闘争の模様を記録することになった『青の森』は、その後映研に入部した者に必ず観せられたという。また、仮面を活用して匿名の存在と個のアイデンティティについて問いかける『PALENOMA』、そして、著名なある闘争映画とフィルムを繋げて上映されたらしい『闘争=映画は決意の物化である』を上映し、両作にかかわった池田俊己氏から当時の映研の活動について伺う。
青の森①
上映後トーク
ゲスト:池田俊己(映像グループ翔の会/元関学映研)、ほか
聞き手:富岡邦彦(CO2運営事務局長/プラネット+1代表/元関学映研)、田中晋平

企画担当:田中晋平(神戸映画保存ネットワーク客員研究員)

スケジュール ―2019年10月20日(日)―

  • 11:00〜12:40 Aプログラム 『白と黒』『Δdelta(デルタ)』『壁の中』
  • 13:30〜15:02 Bプログラム 『青の森 関学闘争の記録』『PALENOMA』『闘争=映画は決意の物化である』+トーク
料金 当日券:一般…1200円、学生…700円
前売券:1000円[プログラム指定/9月21日販売・予約受付開始]
*前売券は神戸映画資料館で販売。予約による当日清算も可能[10月19日10:00 最終締め切り]
*当日券は1回目のプログラムの1時間前より発売。
会場 神戸映画資料館(神戸)

神戸発掘映画祭2019ホームページ→